【スタッフブログ】第17回 首相の署名

トップページに掲載している、フランスでの化学物質濃度指針値の発表。
2011年12月4日発表 フランス環境・持続可能開発・エネルギー省 室内空気の指針値(フランス語版)
世界一厳しい数値で、大洋住宅がその前に同じ水準を達成したから引用しているのですが、実はもう一つ大切なことがあります。

この指針値は当時の首相の名前で出されています。
日本でいえば内閣総理大臣の名前で住宅政策の方針を出すようなものです。
大洋住宅にもできたのだから、ぜひ達成していただきたいものです。

ちなみにこのときの首相のフランソワ・フィヨン氏”FRANÇOIS FILLON”、今度は大統領選挙にも出馬するもようです。

長尾高人(たかと)

【スタッフブログ】第7回 売って終わりにできる、とは?

先日の大統領選挙の結果が日本でも物議を醸しだしているアメリカ合衆国ですが、この機に知っておいていただきたいのは、アメリカの住宅ローンと日本の住宅ローンの違いもあります。

アメリカという国では築50から70年ぐらいの中古住宅をローンで買い、転職や移住に際して売りに出すのが一般的。
新築にはさほどの価値は置かれていませんし、中流と呼ばれる人々には注文住宅という発想もありません。それに、新築ではほぼ100%が分譲住宅です。
売りに出すのが一般的というと、住宅ローンの返済はまじめに35年やっていないのか?という日本人ならではの疑問になるのですが、ここからが本格的に違ってきます。

アメリカと日本の住宅ローンの決定的な違いは債権が物件にかかるか、持ち主にかかるかです。
アメリカでは通常は「ノンリコースローン」という「売却したら終わり」になる貸し方。
売却益が出るような形で売れるケースも大半です。
日本では残債がある場合は何があっても埋めないとダメな「リコースローン」であり、年数が高い家の査定が低く、売却損が出て埋める必要があるケースが大半。

古い家、というよりそこに建っている実績が長い家に一定の価値を見出す仕組みの有無の違いが「持ち家に住みながら、家に縛られない」という理想的な形をつくるために必要なようです。

長尾高人(たかと)

【社長ブログ】第10回 厳しくしていく海外、変われない日本

前回の補足や続きも交えて。
世界中でホルムアルデヒドの指針値や目標値の濃度は時代とともに下がっているのは確かです。

前回参考にした「WHOと諸外国の取り組みについて」をさらに見ると・・・

シックハウスの症状が出始めた1977?79年の目標値はドイツ・オランダで0.1ppm、デンマーク0.12ppm、スウェーデン0.1?0.4ppm、カナダ0.1ppmといずれもWHO(世界保健機関)のガイドラインより緩かった。

WHOが1999年にガイドライン0.08ppmを定めてからは、2001年フィンランド0.024ppm(ガイドラインの3割 アレルギー所持者向け)、2004年アメリカ・カリフォルニア州0.026ppm(同1/3 8時間値)、2005年カナダで0.04ppm(同1/2 8時間値)と大きく下がります。

やがて世界で一番厳しい2007年フランスの0.008ppm(同1/10 8時間値)が設定されていますが、さて日本は?

現在に至るまでWHOが1999年に定めたガイドラインと同じ0.08ppm(30分値)のままで、数値としては約10年前のフィンランド・カリフォルニア州・カナダ・フランスよりも緩い。

緩くても全く問題なければいいのですが、見過ごせない問題があるから各国がWHOよりさらに厳しくしたと考えるのが自然です。
そう、WHOのガイドラインも(同じ数値を使う)厚生労働省指針値も住む人は守れないと考えて間違いありません。