【スタッフブログ】第18回 どの地震波?

間もなく、阪神淡路大震災から22年になります。

神戸に限らず、西宮・尼崎・宝塚・伊丹・芦屋で大きな被害があったこともだんだんと忘れられていくのかもしれませんが、ここでも、見逃せないこと。

テレビCMで「阪神淡路級の60回の地震に耐えた」というメッセージを聞いたことがある人は、家の耐震実験にカラクリがあるのを知っていますか?

筑波大学 システム情報工学研究科 構造エネルギー工学専攻 地震防災・構造動力学研究室ホームページ 「1995年兵庫県南部地震の神戸海洋気象台の強震記録について」によると、
地震の研究者が参考にする、3つの地点で観測された地震波

  • 神戸海洋気象台(神戸JMA:中央区)
  • 大阪ガス葺合供給所(葺合:中央区)
  • JR鷹取駅(鷹取:須磨区)

実は、この3つの地震波で最も被害が少なかった神戸JMA周辺の家屋全壊率はたった3.2%、葺合は20.2%、鷹取59.4%と大きく差がついています。

そして、住宅の実験では大手・工務店問わずどこも神戸JMAでの地震波が入力されているといいます。
参考:職人がつくる木の家ネット:伝統構法木造住宅実大振動実験レポート
 
神戸JMAは震度7ではあっても「周期が0.5秒を切るような短い地震波ばかりで、建物が壊れるレベルにならない」のだから、何十回地震が来ても倒壊するはずもないという地震研究者の見解。
鷹取は周期が1秒から2秒の地震波が多く、まさに1回で家が壊れる地震になってしまった。

もし、展示場や見学会に行くときは、どの地震波に耐えられるのですか?と聞いてみてください。
たぶん、どの営業マンも鷹取と葺合とJMA神戸の区別がつかないかもしれませんが・・・

長尾高人(たかと)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です